2021.10.21作成 2022.6.21更新
OBSとは
Open Broadcaster Softwareは、OBS Projectが開発しているストリーミングライブ配信及び録画ソフトウェアである。当初はWindows向けソフトウェアとして開発および配布されていたが、2014年にOBS Multiplatformとして別ソフトが開発された。Windowsの他、macOSやLinuxにも対応する。
その後、当初のOpen Broadcaster Softwareは「OBS Classic」、OBS Multiplatformは「OBS Studio」という名前へ変わり、OBS Classicは現在サポート終了している。ここではmacOSにも対応しているOBS Studio(以後 OBS)を紹介する。なお、OBSには派生ソフトとしてStreamlabs OBSなどがあるが、それらは紹介しない。
macOSでライブ配信は可能?
👌もちろん可能だが、Intelプロセッサ搭載のMacではオススメしない。M1などのApple Siliconプロセッサ搭載のMacをオススメする。
Intelプロセッサ搭載のMacではパフォーマンスが低く、熱を持ちファンがうるさいほど回る。とても配信向きではない。内蔵ハードウェアエンコーダの品質もよくない。
既にIntelなMacを持っている人には申し訳ないが、Apple Silicon搭載のMacを買うか(一番安いM1 Mac Airでも十分)、WindowsのPCを買った方がいい。
macOS版ではWindows版と違って出来ること出来ないことがある
というのは知っておいた方がいい。2021年現在、OBSはWindowsユーザーが多い。ネットの情報もWindowsユーザー向けの情報が多いため、これを聞いた&見た&読んだ情報どおりに設定したのに、そのとおり出来ないこともある。その結果「何で何で」とストレスを感じたり、無駄な時間を費やす前に知っておいた方がいいこともある。
macOS版では出来ない事
- デスクトップ音声の意味がWindowsと異なる
Windows版=音声出力デバイスを選択する場所 macOS版=仮想オーディオデバイスを選択する場所 - ウインドウキャプチャが滑らかにキャプチャできない
画面キャプチャなら滑らかにキャプチャできるが、ウインドウキャプチャは30fpsくらいでしかキャプチャできない。ウインドウキャプチャで使ってるAPIは高速でスクリーンショットを撮っているようなものなので、動きは悪いしCPUリソースを多く食うし良いことがない。使わない方がいい機能。
これはOBS バージョン28で改善予定。 - ウインドウキャプチャでマウスカーソル表示が出来ない
個人的にはこれもmacOSのAPI不足だと思っている。
これはOBS バージョン28で改善予定。 - ブラウザソースの対話的インターフェイスで日本語入力ができない
この対応は難しそう。 - 映像キャプチャデバイスで音声を一緒にキャプチャすることができない
UVCと一緒にUACをキャプチャできない。UACは別で音声入力キャプチャを使う必要がある。こちらは今後対応するかも。 - PCゲーム画面だけをキャプチャ出来ない
Windows版でいうゲームキャプチャがない。今後アプリケーションキャプチャ機能が実装されるので、これが似たような機能となるか。 - テキストを縦書き表示にしたり背景色をつけたりできない
縦書きについてはtext-pangoプラグインを入れることで解決できる。背景色はできない。 - NVIDIAのGPUを付けていたとしてもNVENCエンコーダーが利用できない
macOS向けにSDKがないので仕方がない。この対応は難しそう。 - AMDのGPUを付けていたとしてもAMFエンコーダーが利用できない
macOS向けにSDKがないので仕方がない。この対応は難しそう。
macOS版だけ出来る事
- iPhone/iPadをMacにUSB接続すれば、映像キャプチャからiPhone/iPadの映像を取り込むことができる
音声の同時キャプチャもOBS バージョン28で対応予定。 - Syphonサーバーからの映像を取り込むことができる
macOS Mojave以降Syphonインジェクトは使えなったけどSyphonクライアントとしては機能する。
現状NDIが広まっているのでSyphonは今後、より使われなくなると思う。
その他、同じプラグインでもmacOS版とWindows版で機能が違うものもあるが、プラグインについてはここでは省略する。