もうこの記事の情報は古くて役にたたない可能性ありです。
OBS Studioという配信ツールがありまして、複数のプラットフォーム(Windows/Mac/Linux)で動作します。
公式サイトで配布されているOBS Studioは音声(AAC)のエンコードにffmpeg_aac、CoreAudio AACエンコーダーが使われます。
そんな中、少佐さんが自身のニコニコミュニティにてOBS StudioのWindows用ビルドスクリプトを配布されました。
その中にFDK-AACをHE-AAC v1, v2に対応させるパッチがあるので、それを利用してMacのOBS StudioでもHE-AAC v1, v2に対応させてやろうという。
ついでにニコニコ生放送用OBS MultiPlatformプラグインも入れてやろうというのが今回の話。
この記事の情報によって生じる結果は、当サイトでは一切の責任を負いません
1.必要なソフトをここからダウンロード
BuildMacOBS_XXXXXXXX.zip を適当な場所に展開してください。(XXXXXXXXにはそのソフトの公開日付が入る)
2.co1048576 からOBS Multiplatform のビルドスクリプト(Build Studio OBS)をダウンロード
ビルドしたいOBS Studioのバージョンにあったビルドスクリプトをダウンロードしてください。
3.パッチを同じ場所へコピー
パッチというのは次のファイルです。
patch_obs-studio_0131_ignore_CoreAudio_AAC.diff
patch_obs-studio_0131_revert_audio_encoders.diff
patch_obs-studio_0131-HE-AAC-v1.diff
patch_obs-studio_0131-HE-AAC-v2.diff
patch_obs-studio_0131-crop-filter.diff
下図のようになっていればOK
4.Xcode Command Line Toolsがインストール済みか確認
1_Install_CommandLineToolsをダブルクリック
下図のように「command line tools are already installed」と出ていればok
そうではなく、このような画面が出たらインストールをクリックしてください。
インストールは通信状況とマシンスペックによりますが、
3分〜 長い時で1時間30分くらいかかります。
5.必要なソフトをインストール(注意!!)
obs-studioのビルドにはffmpeg, X264, fdk-aac, Qt5, cmakeが必要です。
ここではHomebrewを使って必要なソフトウェアを自動インストールします。
(注意!!)
必要なものは自分で用意するという人や、MacPortsなど他のパッケージ管理システムを
使ってインストールするという人はこの項目を読み飛ばし、
ご自身でffmpeg, X264, fdk-aac, Qt5, cmakeをインストールしてください。
間違えて2_Install_LIB.commandを実行しちゃった。
という人はuninstall_brewを使ってHomebrewをアンインストールしてください。
それ以外の人は2_Install_LIB.commandをダブルクリックでインストール。
curl: (7) Failed to connect to raw.githubusercontent.com port 443: Connection refusedとか
curl: (22) The requested URL returned error: 503 Service Unavailableと表示されたら、しばらく時間を置いてからやってみてください。
この画面が出たらReturn(Enter)キーを押すと続行します
管理者パスワードを入力
6.OBS Studio FDK-AAC HE-AAC v1対応版をビルド
3_Build_obs-studio_HE-AAC_v1.commandをダブルクリック
だいたい3分かかります。
7.OBS Studio FDK-AAC HE-AAC v2対応版をビルド
3_Build_obs-studio_HE-AAC_v2.commandをダブルクリック
だいたい3分かかります。
8.OBS Studio CoreAudio AACエンコーダー HE-AAC v2使わない版をビルド
3_Build_OBS_ignore_HE-AAC_v2.commandをダブルクリック。
〜これがある理由〜
今回のビルドしなくても、公式で配布されているOBS StudioはPC/MacにiTunesさえインストールされていればCoreAudio AACエンコーダーが使われます。
そしてその公式OBS Studioは48kbps以下の音声ビットレートではHE-AAC v2でエンコードされます。
しかし困ったことに、CoreAudio AACエンコーダー HE-AAC v2でエンコードした放送は、ニコニコ生放送のタイムシフトに対応していないようなのです。
ということで、どうしてもCoreAudio AACエンコーダーが使いたい人向けに、音声ビットレートを32kbpsまで下げてもHE-AAC v1でエンコードされ、タイムシフトに残る放送になるようなものを作りました。
需要ない気がしますけどね。
9.完成
こんな感じでdmgファイルが出来上がります。
dmgファイルなので、ダブルクリックすればOBSアプリケーションファイルが現れます。
このOBSをアプリケーションフォルダにコピーすればインストール完了です。
お好きなOBS Studioを使ってください。
お好きなOBS Studioをって言ってもどっちが好きか分かんねぇよって人もいますよね(^^;
しかしこればっかりは試してみないと分からない。圧縮率や音が違う。
どっちが良いかは放送内容や放送する側、聴く側個人差があるのです。
HE-AAC v1は28kbps〜128kbpsの範囲で音声ビットレートが設定できます。
私個人的には48kbpsまでが聴ける最低限のビットレートだと思います。
しかしそれより下げても大丈夫という人もいます。
HE-AAC v2はもっと圧縮率が高く、16kbps〜56kbpsの範囲で音声ビットレートが設定できます。
私個人的には24kbpsまでが聴ける最低限のビットレートだと思います。
しかし人によっては16kbpsでも全然大丈夫よって人もいます。
私はHE-AAC v2のちょっと潰れたような音が好きではないのでHE-AAC v1の48kbpsをいつも使ってます。
まぁそれでも「出来るだけ高画質にしたい!」という人もいるかと思うので、
この辺りは自分の放送に合った設定をx264設定と共に研究してみたらいいと思います。
FDK-AAC の確認
ログファイル(ヘルプ→ログファイル→ログファイルを表示)から
encoderにlibfdk_aacが使われていることが確認できます。
音声ビットレートの選択範囲にも違いがあり、通常のobs-studioが32kbps〜320kbpsに対して、
HE-AAC v1対応版は28kbps〜128kbps、HE-AAC v2対応版は16kbps〜56kbpsとなります。